家の見積りに関して建築オーナーに任せがちなプロの皆さん!!
アミーゴ小池です!!
今回は『見積りの基礎』に関してです!
見積りは本当に大切です…
クライアントの家の見積りをしっかり考えてください!
初めにお断りしておきますが、今回のパックの内容は少々刺激的です。
さらにボリュームがありますが、家づくりにとって極めて重要な要素をお話ししているため、最後まで読んでいただきたいです。
特に後半が非常に大切ですので、途中で読むのをやめずに一通りお目通しください。
「見積りはクライアントがザっと要望を伝えて、あとは提示された見積り金額を値引き交渉するだけ」という姿勢の施主も少なくありません。
しかしながら、クライアントが家づくりに関してどの程度の知識を持っているかによって、そもそも有効な値引き交渉ができるかどうかは大きく変わってきます。
■見積りの方法:坪単価か積算か?
まず、貴社の見積りルールはどのように決めていますか?
日本の工務店・ハウスメーカー・設計事務所では、主に以下2種類の方法を用いて見積りを算出することが多いように思えます。
1) 坪単価見積り
いわゆる「1坪あたりの○○万円」というカタチで、大まかな金額を迅速に出せる手法です。
工務店やハウスメーカーが「自社で建てた過去の物件」の面積と金額をサンプルにして「平均的な○万円/坪」と設定しているケースが多く、営業担当者でもスピーディーに金額提示が可能です。
ただし、坪単価見積りはあくまで“平均”であり、実際の設計や使用材料・設備の違い、外構・付帯工事、階数などによって金額が大きくブレることが多々あります。
結果として、「最終的には追加追加で見積りが膨らむ」とクレームになる場合もあるので、クライアントとの初回打合せでは十分説明を加える必要があるでしょう。
2) 積算見積り
一方、積算(せきさん)見積りは、建物本体の内外の部材数・床面積・壁面積・屋根面積・窓の枚数などを1つずつ拾い出して金額化します。
換言すると、“拾い出し”と“積み上げ”の作業がベースなので、仕上がるまで非常に手間と時間がかかる方法です。反面、坪単価ベースに比べて現実的な金額との誤差は小さいのがメリットでしょう。
クライアントからは「積算見積りを出してほしい」と要望されることもあるかと思いますが、工務店や設計事務所にとっては大きな負荷であり、「相見積り」のように何社かを比較検討する段階では、短期間で積算見積りを出すのは難しい場合が多いでしょう。
プロとしては「まずは概算をお見せし、そこからクライアントが本気で検討するなら積算に移行する」というステップを踏むことが一般的かもしれません。
■面積と見積り
上記2つの方法いずれであっても、“面積”が見積りに影響する点は共通しています。
建物の面積が大きければ材料も工数も増え、金額は高くなりがちですし、逆に面積が小さければ費用は下がります。
ここに「材料をどれだけ一括で仕入れられるか」というボリュームディスカウントの考え方も絡み、特に大型の建物のほうが施工会社は問屋等から材料を安く仕入れられたりします。
こういった点を踏まえると、「面積が大きいのにやけに安い」という見積りや「面積が小さいのに妙に高い」という見積りがあったときは、どのような材料単価・掛け率を設定しているかを疑問視するのがプロとしては自然です。
また、自社ルールとして「容積率に含まれない部分は見積りに含めない」などの基準を設けている会社もあるため、そこを営業担当や設計担当がいかに説明するかが重要。
「打合せ上ではバルコニーが○平米拡張になったのに、面積上は扱われていない」といった場合は、よくクライアントに納得させないまま進むと後々トラブルの火種にもなります。
■値引きに潜むテクニック
「値引きが成功した!」とクライアントが大喜びするケースでも、しばしば以下の2パターンが存在します。
パターン1:初期見積りに水増し分が含まれていた
例)3,000万円程度の実際のコストを見込む案件なのに、最初に3,300万円で提示し、クライアントに交渉させて3,000万円に“値引く”。
クライアントは「300万円も安くなった!」と感動するが、実質的には最初から3,000万円を想定している水増し見積りの可能性がある。
この場合、施工業者や設計事務所は売上・利益を落としていないので、誰も損はしていません。
「割とよくあること」ではあるものの、あまりに大幅な数字の場合は、クライアントに疑念が生まれたり、モラル面での問題が取り沙汰されたりする恐れはあります。
パターン2:実際に工事費を下請けへ無理に圧縮させている
こちらが少々厄介です。
値引き分を施工会社自身では負担せず、実作業を行う下請け・専門業者の取り分を削って実現するケース。
元請け側は「下請け業者さんも利益が多い案件があるので、今回は協力してほしい」とか「いつものお付き合いだよ」と圧をかけて工事費を下げるよう要請します。
すると、下請け業者は儲けが少ない案件を渋々引き受ける代わりに、モチベーションが下がりがちだったり、スピード重視で工事品質が落ちるかもしれないリスクが高まります。
つまり「理不尽な値引き」は下請け企業に大幅なシワ寄せを行いかねず、その工事の品質にも悪影響が出る可能性があります。
プロとしては、自社・元請けが無茶な値引きをするのではなく、適正価格で仕事をし、下請け業者にも適正な利益が行きわたるのが理想でしょう。
そうでないと、中長期的には現場の職人レベルが落ちたり、作業スピードだけを追求して不備が残ったり、企業としての信用問題に発展しかねません。
■結論:過度な値引きは危険
最後に改めてまとめます。
水増し部分をカットした“見せかけの値引き”は、言い方はどうあれ、誰も大きくは損をしていないので大問題にはなりにくい。(ただしモラルには議論あり)
下請けに負担を押し付けるような理不尽な値引きは、結果的に現場品質の低下やトラブルを引き起こしかねない。
前者で済むならまだましですが、後者の場合はクライアントにとっても危険です。
「大幅値引きの裏で、下請けさんが儲からず、工期や品質にも悪影響」という図式がよく起こり得るからです。
施工企業としては、クライアントが「値引きを勝ち取った! ラッキー!」と喜ぶ場面は彼らにとって契約しやすい環境になりますが、その代償がどこにいくかを冷静に判断する必要があります。
結果的には業界全体が健全に回るために、適切な価格と適正利益でしっかり仕事をする文化をつくるほうが、建築の品質や顧客満足度に寄与するはずです。
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