★【見積り調整】見積りオーバーに直面したら?注文住宅での賢い予算調整テクニック②

家の見積りに関して建築オーナー任せにされがちな建築のプロの皆さん!!


アミーゴ小池です!!


今回は『予算オーバーの基礎の続編』に関してです!


見積りは本当に大切です…


クライアントの家の見積りをしっかり確認してください!


前回の見積りの基礎編では、予算オーバー時の精神的なコントロールや対策を学んでいただいたと思います。


今回のパックは予算オーバーの基礎の続編として、さらに具体的な内容をお知らせいたします。


そして、このパックは見積り提示を受ける前と、見積り提示後の両タイミングで読むことをおすすめいたします。


次にご紹介する【優先順位を検討する】では、提示を受けた直後と、値下げ提案をされた後とではクライアントの優先順位が変化している場合があるため、必ず2回ご覧いただくと良いでしょう。


■優先順位を検討する


前回パック(予算オーバーの基礎編)でお知らせしたように、クライアントに実施設計で追加要望をまとめてもらった【見積り調整ファイル】があるかと思います。


その中の全ての要望項目を、クライアント自身に【残したい優先順位】としてランキングしてもらってください。


最も残したい項目を1位、減額対象にできそうな(優先度が低めの)項目を数字が大きい順…といった形です。


この際、家づくりでもよくあるのですが、ご夫婦それぞれで優先度が異なることも本当に多いため、まずは個別でランキングを作っていただき、あとでご夫婦間の意見交換をして最終的な優先度を決めるよう促してください。


家づくりはご夫婦のお住まいです。


外部からの評価や資産価値も重要とはいえ、お二人自身が納得できるプランにしないと、後々大きな不満につながります。


見積り調整は「ターニングポイント」です。


ここでのやり取りによって家の仕様がほぼ決定してしまうため、中途半端な譲歩や検討不足がないよう、ぜひとも後悔のないようにしてあげてください。


次に、プロとしてサポートすべきは、クライアントが付けた優先度に沿って「減額できる金額」を示すことです。


どれを削ると何万円・何十万円・何百万円が減るか、見積りの内訳を一緒に見ながら一括で集計し、さらに専門的なアドバイスも行います。


減額金額をまとめたうえで、提案を受けたり再検討をしてもらってください。


とくに、プロ側からの減額提案を一切しない「クライアント任せ」状態はいただけません。


お客様が初めての家づくりでご苦労されている中、プロとしては、


  • デザイン性を落としすぎない減額案

  • 性能を落としすぎない減額案 を提示することをまず心がけたいものです。


そのうえで、予算とのすり合わせがどうしても厳しい場合には、より大きな項目の絞り込みについて一緒に考えていきましょう。


細かな提案事例は別のパックで詳しく解説しますが、提案の仕方によってクライアントの満足度は大きく変わります。


■今なのか? 後なのか?


見積り調整をしていると、多くのクライアントが「完璧な家」を求めようとします。


しかし、完成した瞬間から変更の余地が一切ない家が「完璧」だ、という認識は少し危うい部分があります。


家というものは、住まわれる方のライフステージ変化に合わせてメンテナンスやリフォームで変化していく性質があります。


だからこそ、今すぐ必要な項目と、将来的に必要になる項目を仕分けし、今後の予算配分を検討することも大事な考え方です。


  • 今回の工事で絶対に採用すべき項目


    今すぐ必要であれば、後回しにするデメリットが大きい場合が多いです。

    2~5年以内に必ず実施するような項目なら、後でやり直すよりは今回の本体工事に含める方がトータルコストは下げられます。


  • 引き渡し後に工事を行っても良い項目


    例えば余暇活動系のグレードアップや趣味的なスペース、現時点では必須でない子ども部屋など、どうしても予算が厳しい場合は後回しにして工事費を抑えるやり方が有効なケースがあります。


とはいえ、この「先送り」はあくまでやむを得ない最終手段と考えるのがおすすめです。


オサックを通してクライアントが検討に検討を重ねてきた項目を、不本意に先送りすると後悔する可能性が高いからです。


クライアントが「これは正直やりすぎかも」と感じる項目や「完全に趣味枠だけどすぐには使わない」ものに絞り、先送りを検討していただくよう誘導してください。


■掛け率とは?


建築業界では「定価」「問屋からの掛け率」という仕組みがあります。


  • “定価” とは、カタログやショールームでエンドユーザー(一般施主)が目にする希望小売価格。


  • 実際、施工店は問屋・商社を通して “掛け率” をかけた価格で材料や設備を仕入れます。


たとえば、定価200万円のキッチンを、掛け率0.5(50%)で仕入れている施工店は、実質100万円で入手可能です。


そこに運搬や施工工事費、利益を乗せてお客様へ見積りを出すわけです。


注意点(1)

施工店ごとに掛け率は異なります。

年間300棟レベルの量を扱う施工店と、年間10棟程度の施工店では問屋や商社からの掛け率が違いますし、標準仕様に設定して大量一括購入している商品ほどさらに安い掛け率で仕入れられる場合が多いです。


注意点(2)

「ネット商品」は掛け率が使えない。

たとえばサンワカンパニーやアドヴァン、ツールボックス、イケアなどは定価と施工店の仕入れ価格が同じことがあります。

掛け率が一切効かないため、定価が同額でも他メーカーに比べて安く買えるわけではないのです。

「定価がリクシルと同じだから差額ゼロ」とは限らない、という理解が必要です。


■VE と CD の違い


見積り調整の際、「VE(Value Engineering)」と呼ばれる作業と「CD(Cost Down)」と呼ばれる作業が混同されがちです。


建築業界では、以下のように認識されることが多いです。


  • VE性能やデザイン性を大きく落とさず、代替え商品などを模索して減額すること。


  • CD性能やデザインのクオリティを下げても、とにかくコスト削減を優先すること。


極端な例としては、


  • VE:お客様が希望している設備と同等の性能・デザインを持ちつつ、仕入れルートや掛け率で安くなる同グレード別メーカー品を提案


  • CD:性能もデザインも丸ごと妥協して価格だけを大幅に下げる別品を提案


施主はもちろん、建築のプロにもこの違いを丁寧に説明しながら提案すべきです。


もともとハイグレードな設備を希望されている場合、CDで大幅に落とすと大きく趣旨が変わりますし、クライアントの満足度を損ないかねません。


VEといいながら実際はCDを連発するプロが少なくないため、プロ同士でも「これは本当にVEか?ただのCDでは?」という意識をもちましょう。


いかがでしょうか。


見積り調整の時期は大変でストレスフルですが、ここを丁寧に乗り切ることでクライアントの理想と予算を両立した家を実現できます。


しっかりとサポートし、後悔しない家づくりを目指していきましょう!

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